テレスコープ義歯
従来の健康保険適用の義歯では天然歯が残っている場合(部分床義歯)は、
天然歯にクラスプ(金属性バネ)を施すことにより義歯を安定させています。
ただし、それは天然歯に負担が大きく、短期間のうちに次々に抜けてしまう欠点があります。
その欠点を克服するためには積極的に天然歯の歯牙形態を改善し、
歯牙の負担をコントロールできる設計にする必要があります。
これを「テレスコープ義歯」といい医療先進国ドイツでは歴史は古く積極的に行われてきた手法で、
義歯の維持力を保ちながら、歯牙保存も兼ねるというエビデンスも十分に確立されています。
年齢 | 60歳代(女性) |
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症状 | すでに2歯は動揺があり、保存できない状態でした。 抜歯して下アゴの義歯を修復した状態です。 残存歯牙が少ない場合は、クラスプ(金属性のバネ)の付いた義歯を使用することで、引き抜きの力が加わり歯牙が抜けてしまうリスクがあります。 |
治療内容 | 残っている4本の歯牙を長期に保存するために積極的に活用する手技として歯牙形態修正を行い、いわゆる「内冠」を製作しました。 歯牙にかかる負担をコントロールします。 |
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テレスコープ義歯完成
上下の総義歯が完成しました。
これは「レジリエンツ・テレスコープ義歯」といいます。
天然歯が少ないため、歯牙負担軽減と入れ歯の維持力を兼ね備えた構造です。
残存歯牙の長期保存と下顎義歯の安定性を兼ね備えた設計になっています。
費用 | 約130万円 |
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期間 | 約1年10ヶ月 |
デメリット |
・自由診療のため、価格が高くなる。定期的なメンテナンスが必要。 ・金属を使用しているため、金属アレルギーの症状(かゆみ、腫れ、熱感など)が発生する場合がある |
テレスコープ義歯の種類
テレスコープ義歯は製作後に残存歯が喪失した場合でも義歯を修理して継続して使用する方法が選択できます。
またテレスコープ義歯は患者様の個々にあった設計を行いますので、上記の他にも下記のような数種類のタイプがあります。
コーヌス・テレスコープ義歯
リーゲル・テレスコープ義歯
H-Aブレード義歯
咬みやすさを考慮して特殊な人工歯を使用した
全部床義歯(総入れ歯)
症状① |
特に下アゴの入れ歯の安定性が悪く、擦過創が見られました。 下アゴの歯槽骨が減っていて、入れ歯が不安定になっている状態を長年、我慢して使用していました。 |
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症状② |
エックス線写真の所見では下アゴの骨が無くなってきているのがわかりました。 長年、合わない入れ歯を我慢して使用している場合に多く見られる状態です。 痛くない入れ歯を作るのはかなり難しい状態に陥っていると思われました。 |
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S-Aブレード義歯(治療用義歯)
来院までに使用していた入れ歯が合わない場合、咬み合わせがズレていることが多く見られます。
咬み合わせの位置(顎位)を安定させるために、最初に治療用義歯を製作し、最終的な義歯を製作するための参考とします。
治療用義歯を使用し本来の咬み合わせの位置(顎位)を決定した状態です。
治療用義歯の咬合位置を参考にして最終義歯を製作します。
最終義歯完成(H-Aブレード義歯)
年齢 | 80歳代(女性) |
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治療内容 | H-Aブレード義歯の製作 |
費用 | 最終義歯製作費は約90万円 |
期間 | 約1年 |
デメリット | 自由診療のため、価格が高くなる。定期的なメンテナンスが必要。 |
ご注意
● 義歯の費用について
掲載している製作費用はあくまで一例です。
患者様の口腔内の状態は千差万別であるため、自費義歯の製作費用は診査診断の後、医療面談にて明確な費用をご提示します。
● 義歯のリスクについて
慣れるまで異物感が気になることがございます。
詳しくはご相談ください。
● 副作用について
金属を使用する義歯の場合、金属アレルギーの症状(かゆみ、腫れ、熱感など)が発生する場合があります。
ご心配の方は、事前にお知らせください。